頚椎から出て、後頭部に分布する大後頭神経及び小後頭神経の障害による痛みです。デスクワーカーや電話をよく使う仕事の人に多く見られます。
症状
後頭部、耳の後ろ、頭頂部に痛みが出現し、発作的に数秒から数分痛みが持続します。頭皮の知覚過敏がありピリピリ感、シビレ感を伴うこともあります。また頚部のコリ、耳鳴り、めまいを併発することもあります。
また神経が過敏になっていることが多く、通常なら痛みが発生するほどでもない小さな刺激(例えばブラシで髪をとかすとか)でも痛くなってしまいます。
医学的な処置
頚椎の変形性関節症、リウマチ性関節炎、腫瘍、椎骨動脈障害、帯状疱疹(ヘルペス)、ニューロパチーなどの疾患がないか医療機関でチェックする必要があります。
オステオパシーの処置
後頭神経が骨や筋肉によって圧迫され、神経に微小な循環障害が起きて痛みが発生しています。そのため後頭神経に圧迫が起きないように筋、関節を整える施術を行います。
後頭神経が圧迫されるポイントは頚椎、首の筋肉に多く見られます。
頭を前に倒す動作(屈曲)では大後頭神経は上方へ偏位し、下頭斜筋の下縁にて圧迫・伸展されます。また振り向く動作(回旋)では回旋方向の対側の第1頚椎横突起が前方へ移動し、これによりここに付着する下頭斜筋が伸展され大後頭神経を圧迫します。
大後頭神経は僧帽筋(45%)、頭半棘筋(90%)を高率に貫通しているため、それぞれの筋緊張によって圧迫を受けます。
小後頭神経では胸鎖乳突筋後縁でも圧迫が見られます。
大後頭神経は外側から上行してくる後頭動脈と交差しているため圧迫されることもあります。
以上のような圧迫部位を取り除くことがオステオパシーの施療となります。
改善のポイント
後頭神経痛は神経過敏を伴っていることが多いため、患部への強い刺激は避けなければいけません。強いマッサージ、ストレッチには注意が必要です。
骨や筋肉の状態に加え、心理社会的因子が関係している場合は、オステオパシーに加えて心理療法などを必要とする場合もあります。