重いものを持ってから膝の後ろが痛くなり、曲がらなくなったという女性。レントゲンでは変形性膝関節症が確認されています。

オステオパシー検査の結果、半月板の後方が固着していました。半月板というのは膝の関節内にあるクッション材です。膝は上からの重力と床からの反力がぶつかる高負荷な関節なので骨を守るための半月板があります。

この半月板は前後に5~12mmほど移動することができます。つまり膝関節の中でクッションを移動できるのであらゆる方向、角度での負荷にも対応できるのです。

ところがこの方の場合、脛骨(すねの骨)が前にずれていたため相対的に半月板は後方へいきます。この状態は半月板後方に圧力がかかっています。

それに加えて重いものを持ち上げようとしたときに更なる荷重が半月板後方を襲って圧縮してしまったのでしょう。

実は事前に受診していた整形外科でも半月板を疑っていましたがMRIで画像を見ても損傷は見つからなかったようです。手術の必要は無いでしょう。

半月板は傷がないということだけでは充分ではありません。膝関節の中で前後に動くことができる自由度が必要なのです。

このような可動性の自由度をオステオパシーではモビリティと言います。そしてこのモビリティを保つことを重要視しています。