胃もたれと背中の痛みが出るようになったという40代、立ち仕事の方。半年前から症状が始まり、食べた後に悪化。飲酒では悪化せず。医学的な問題はありません。

【胃の施術】

オステオパシー検査の結果、胃の位置が下がっていました。

胃の位置が悪いせいで胃の動きが悪くなり消化不良が起きているのだと推測し、胃の位置を戻す治療をしました。

ところが次の施術時に聞いてみたところ、胃もたれは無くなったのですが吐き気が出るようになったとのこと。また背中の痛みは残っているということでした。

【大動脈裂孔の施術】

あらためてオステオパシー検査をしなおすと、大動脈裂孔のまわりに緊張がみられました。大動脈裂孔とは横隔膜の大動脈を通すトンネルになっているところです。

施術では大動脈裂孔のまわりにある緊張を取りのぞくことをコンセプトに行いました。(胸椎12、横隔膜脚、大腰筋、大小内臓神経)

その後の経過では吐き気、背中の痛みは消失しているとのこと。やや違和感が残るためもう1~2回施術が必要かもしれません。

【消化にかかわる自律神経の絞扼】

このように大動脈裂孔のまわりに緊張があると胃腸のトラブルにつながります。

それは大動脈裂孔の近くにある筋線維によって消化系の自律神経を絞めつけることがあるからです。(4枚目)

この自律神経は大内臓神経・小内臓神経といいます。またそのすぐ下には腹腔神経節もあるので影響を受けることもあります。

大動脈裂孔の緊張は腰が丸まったり呼吸が浅いに多く、場合によっては先天的に大動脈裂孔が狭いという人もいるようです。その場合はオステオパシーで治るものではなく手術の適応となります。