脚のダルさがあるという40代、デスクワークの方。夕方になると余計にダルくなり夜寝ていても気になるということです。見た目ではむくみが確認でき、指で押すと圧痕が残ります。

全身を調べてみると、横隔膜と骨盤底筋に問題がありました。そこを治療していると施術の最中にダルさの消失を感じたようです。

横隔膜や骨盤底筋が働いていないと脚のめぐりがとどこおってしまいます。脚のむくみというのは静脈とリンパの流れが悪くなって液体が貯留している状態です。正確には「下肢浮腫」といいます。

ではなぜ横隔膜や骨盤底筋が働いていないと流れが悪くなるのでしょうか。

横隔膜と骨盤底筋は腹圧を上げたり下げたりする作用を持っています。息を吸うと横隔膜が下がって腹圧が高まります。吐くと横隔膜が上がって腹圧が減ります。これを呼吸のたびに繰り返しています。

腹圧が上がったり下がったりすることで足につながる大きな静脈(下大静脈)がマッサージされ、血液、リンパ液が循環して脚には液体が貯留しないようになっているのです。

ところがこの方のように横隔膜か骨盤底筋が働かなくなっていると腹圧の変動が少なくなり、静脈のマッサージがなくなって、脚には液体が貯留したまま戻れなくなるのです。

横隔膜や骨盤隔膜が硬くなる要因は、デスクワーク、かがんだ姿勢、精神的緊張、過度な集中状態、などがあります。どれか一つではなくいくつかがミックスされていることがほとんどです。

このように血液やリンパ液に働きかけるアプローチをオステオパシーでは「呼吸循環モデル」と言って、むくみ、下半身の冷え、老廃物の蓄積などに対して行うことがあります。