産後にプロポーション気にしたり、腰痛改善のためと思って腹筋の筋トレをしている方も多いのではないでしょうか。私の診ている方の中にも産後から一生懸命腹筋をしているママさんが時々いるのです。

「腹筋してるのに全然ポッコリお腹がもどらないんですよね~」

 

「それ悪化させてるかもしれませんよ」

骨盤底を鍛えてもとに戻す前に腹筋運動をすると、骨盤底がダメージを受けやすいのです。また内臓が下がってしまう可能性もあります。

出産で骨盤底筋はユルユルになる

出産によって骨盤底筋が弱くなるのはもうご存知でしょうか?

骨盤底筋とは骨盤の底に張っている筋肉のシートです。ハンモック状になって内臓を支えています。

妊娠~出産によって骨盤底筋は3.26倍引き伸ばされます。

その結果、骨盤底筋はユルユルになり、筋を操る神経は切れてうまく動かせなくなります。帝王切開ではまだマシですが、それでも重い赤ちゃんを支えているので通常時よりゆるみが出るようです。
産後の骨盤隔膜

骨盤底がユルユルだと腹筋しちゃダメな理由

なぜ骨盤底が弱い産後に腹筋しちゃダメなのかというと、
マヨネーズ説明しよう

マヨネーズを使って説明したいと思います。

このようにマヨネーズ中央を押すと底の部分にも圧力がかかります。しかし容器の底は丈夫なので逃げ場を失ったマヨたちは仕方なく上のマヨチューブから出てくるのです。
マヨネーズ理論

腹筋すると骨盤底筋に圧がかかる

これと同じように人間の体も、腹筋によって腹部中央に圧力をかけると、底の部分すなわち骨盤底に圧力がかかり内臓が押し下げられます。ここで骨盤底筋が活躍し、圧力に対抗し内臓が下がり過ぎないように食い止めます。
腹筋をすると

骨盤底筋がユルユルだと圧力に負けて内臓が下に行く

しかし通常分娩を行なった産後の方は、骨盤底筋が働かなくなっているか、かなり弱くなっています。腹筋のたびに圧力に対抗できず、内臓が押し下げられてしまいます。
骨盤内臓下垂

マヨネーズで言うと、容器の底が弱かったらこうなります。

マヨネーズならこう

そして内臓が下がってきて、だんだんお腹がぽっこりしてくる。
美容上の問題も困りますが一番困るのが、子宮脱や尿失禁になることです。困ります。

腹筋きたえる前に骨盤底筋をきたえよう

それを防ぐために骨盤底筋をリハビリする運動が推奨されます。

私の院でも産後に来る方には必ず骨盤底筋のトレーニングを練習しますが、ほとんどの方がやっていないそうです。

ちなみにフランスの先生に聞いた話だと、フランス国内の産後ママは9割以上骨盤底筋のリハビリを行っているらしい。なぜこのような高い割合で行っているかというと約30年前から少子化対策として母体のケアが重要視され、骨盤のリハビリにかかる費用を国が負担しているのです。

日本では「開いた骨盤をしめる」という認識は広まって骨盤ベルトとか骨盤矯正は流行っています。しかしユルユルになったり破損した骨盤底は矯正やベルトでは戻りません。戻すにはトレーニングが必要です。

このように大変重要な骨盤底をしっかりケアしトレーニングしてから腹筋することをおすすめします。