先週は4日間の講義を受けに日本橋に来ていました。それにしても東京に来るとたくさん歩きます。

それはもう田舎では考えられないくらい。

そして運動不足だと言うことを、よーく実感します。体が教えてくれます。真っ先に教えてくれるのは脚の筋肉たち。

さすがに筋肉痛とまでは行きませんが、疲労感がすごい。(マッサージ屋さんがたくさんあるわけだ)

このように、筋肉は何かあればすぐに文句を言う、反応が早い組織です。問題があればすぐに症状を出して訴えます。

一方、体にはあまり疲労や痛みを教えてくれない無口な組織もいます。彼らは負担が大きくて疲れても、あまり文句を言いません。

無口な彼らは、内臓たちです。

悪くても症状が出にくい

例えば、飲みすぎた翌日でも肝臓や膵臓は痛いなんて言いません。ヤツらはみんな無口なんです。

内臓はみんな無口であまり文句を言わない分、変わりに文句を言うのがやっぱり筋肉なんです。だから内臓の問題でも筋肉の痛みが出てきます。

例えば、腰痛のような形で症状が出ます。

わかるかと思いますが内臓の問題で腰痛があったら、行くべきところは整形やマッサージ、整体、整骨院ではありません。

私も内臓の治療もやっていますし、他にもいろいろ内臓に詳しい整体、整骨院の先生方はいると思いますが、それは医学的な問題がないものに限り治療してます。

まずは病院でどんな問題があるのかを検査すべきです。

では、内臓から来る腰痛とそうでない腰痛とどうやって見分ければよいのでしょうか?

内臓から来る腰痛の見分け方

この2つの腰痛の症状にはある違いがあります。その違いというのが、

寝ている時の痛みがあるかどうか?です。

内臓から来る腰痛では、1番ラクであるはずの寝ているポジションでも痛みがあります。

1番ラクなポジションって何でしょう?
1番、筋肉、関節、骨を休ませるポジションのことです。つまり寝ている状態です。

寝ていても痛かったり、明け方に痛くなっていたり、そんな時は医学的な検査をすべきです。

ただし、この記事を読んでいるあなたが寝ている時に腰痛を感じているからと言って、「この世の終わりだ」と悲観しないで下さい。

もちろん、寝ている時の痛みがあれば100パーセント内臓に問題があるというわけではないのです。

私の経験では約10パーセントの方が内臓に問題があり、実際に病院での治療が必要だったのは、3パーセント程度です。とはいえ、可能性はあります。

CASE STUDY

今年の夏でしたが、50代の女性が腰痛を訴えて私の院に来ました。問診をして検査を進めると、骨盤の歪みがありました。

しかしさらに検査を進めると、その骨盤の歪みはどうやら子宮の辺りから起こっていました。

そこで彼女には婦人系の問題がないかたずねましたが、特に心当たりはないとの事。

それでも念の為、婦人科を受診したところ、子宮と卵巣に腫瘍が発見されました。幸いなことに良性であり医学的には治療の必要がないものでした。

そんな彼女の腰痛の特徴は明け方に痛くなる腰痛でした。

寝ていると骨盤には体の重さが加わり圧力がかかります。子宮、卵巣の腫瘍があると骨盤の内側からも圧力がかかるので静脈血が停滞し明け方には痛くなってしまうのです。

注意が必要な9つのサイン

このように彼女は生理痛が重い、お腹痛いなどの症状が全くありませんでした。あったのは腰痛だけです。

でもその腰痛は寝ているときに痛い腰痛でした。寝ている時に痛い腰痛はたとえ他の症状がなくても、まずメディカルな検査を受けて下さい。

その他の兆候として以下のようなものがあれば、必ず初診は病院を受診してください。

  1. 最近の激しい外傷歴(高所からの転落、交通事故など)
  2. どんどん痛くなる絶え間ない痛み(夜間痛、楽な姿勢がない、動作と無関係)
  3. 胸の痛みもある
  4. ガンの病歴
  5. 長期間にわたる副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の使用歴
  6. 原因不明の体重減少
  7. 発熱
  8. おしっこがうまく出せない
  9. おしりのちょうどサドルのあたる部分に麻痺がある