何か不安な気持ちがあったり、イライラすることがあった時に、 気持ちを切り替えることができますか?

できる!という人はかなり上手にコントロールできていますね。

というのも、気持ちを切り替えることはとっても難しいことだから。上手くできなくても当たり前なんです。なぜなら、

感情の97%は隠れている

感情の97%は自分でもわからないからです。意識できる感情は残りのたった3%だけ。

つまり、ほとんど自分の感情は隠れていて自分でもわからないのです。

例えば、私たちは初めて会う人に警戒したり、信用したり、様々な感情を持ちますが、冷たいコーヒーを持っていた人は温かいコーヒーを持っていた人より初対面の人を警戒するという研究結果もあります。

これは、血液循環や自律神経の変化が脳に影響し、自分でもわからないうちに脳から感情が生まれているからです。

隠れた感情によって痛みは変わる

これは無意識下で起こっている感情によるものです。

そしてこの無意識下で起こっている感情、

すなわちあなたの隠れた感情が身体の痛みと関係します。

その感情によって痛みを増強する事があるのです。

例えば、同じ腰痛でも痛みが強く、ずっと長引いて何年経っても痛みが無くならない人とすぐに痛みがひく人といます。

感情の違いによって、このような違いも出ることだってあります。

感情が体を変える神経科学

不安、恐怖、怒り、焦り、このような感情は脳の深いところにある扁桃体前部帯状回吻腹側部という場所が働いて作られています。

 

扁桃体
Amygdala.png

前部帯状皮質

出典:Wikipedia

脳のこのエリアは同時に神経全体を興奮状態にするため、痛みの感じ方が強くする役目もあります。

不安、恐怖、怒り、焦り
このような感情がある場合は扁桃体、前部帯状回吻腹側部が過労して痛みの感じ方が強くなってしまいます。

だから神経全体の興奮を鎮めて、痛みを減らすには扁桃体、前部帯状回吻腹側部の働きを少なくしてあげなくてはいけません。

ではそのためにどうすればいいのでしょうか?

興奮した神経に落ち着いてもらう方法

実は働き過ぎている扁桃体、前部帯状回吻腹側部に

「ちょっと休んでね」

と落ち着かせてくれるところがあります。

それが背外側前頭前皮質という部分です。この場所が活性化すると扁桃体、前部帯状回吻腹側部の過活動が落ち着きます。

すると神経全体の興奮も落ち着き、痛みの感じ方も少なくなります。

この場所は褒められたり、何か達成感があって自己肯定感があると活性化します。

体との対話が効果的

また、背外側前頭前皮質は自分の身体に意識を集中させることでも活性化される事がわかっています。例えば、自分の呼吸や心拍がどのくらいのペースなのか数えてみたり、ヨガや瞑想、マインドフルネスをしてみたりなど。

僕がよくやるのが、治療で患者さんに体の感覚を意識してもらうために、僕が触診で感じた事と患者さんが感じた事を互いにシェアしながら施術することもあります。

僕と患者さんで一緒に体の声を聞くような感じです。

こんなことでも、脳細胞には変化が起きちゃうんですね。

体のトラブルは感情に影響する

このような仕組みにより、感情は神経活動を変化させ身体の痛みを強くしたり、弱くしたりします。

反対に身体のトラブルが神経活動を変化させて、あなたの感情まで変化させることもあります。

体の問題があって痛みを感じると、脳の扁桃体、前部帯状回吻腹側部が活性化しちゃうんですね。すると不安、恐怖、怒り、焦りの感情が起きてきます。

つまりあなたの身体に問題があると、感情にも変化があるのです。

心と体、つながって1人

このように感情と身体は常に2人3脚です。1人前に進めばもう1人も前に進み、1人転べばもう1人も転びます。

私たちは身体の問題とこころの問題を別々に考えがちです。でも、心と体はつながって1人の人間です。

あなたの感情と体はいつも影響し合っています。

身体の問題でもこころを観る必要があるし、こころの問題でも身体を観る必要があります。